【資料】事故以降の経過表と、八尾市への事故調査請願行動について
過去にまとめた資料を掲載します。またも小さい文字ですが、ご容赦ください…
ブログ内の記事「4月9日刑事告訴報告と、提訴・告訴に至った背景」もあわせてぜひお読みください。
①事故以降の経過表
かなり大きくまとめてありますが、事故から約三年の経緯です。
(2013年11月、「赤ちゃんの急死を考える会」総会のために作成)
②八尾市への事故調査請願行動について
事故の翌年、2011年の12月、専門家を交えた第三者による事故調査を、
ファミサポ事業実施主体である八尾市に求めるため、市議会への請願行動をおこないました。
約8万筆の署名を前にしても、八尾市は事故調査を拒否。
しかしその後、一方的な「事実経過報告書」なるものを、私たちの知らない間に作成、発行していました。
一連の経過をまとめています。
(2013年9月、「シンポジウム 保育事故を繰り返さないために」のために作成、一部抜粋)


ブログ内の記事「4月9日刑事告訴報告と、提訴・告訴に至った背景」もあわせてぜひお読みください。
①事故以降の経過表
かなり大きくまとめてありますが、事故から約三年の経緯です。
(2013年11月、「赤ちゃんの急死を考える会」総会のために作成)
②八尾市への事故調査請願行動について
事故の翌年、2011年の12月、専門家を交えた第三者による事故調査を、
ファミサポ事業実施主体である八尾市に求めるため、市議会への請願行動をおこないました。
約8万筆の署名を前にしても、八尾市は事故調査を拒否。
しかしその後、一方的な「事実経過報告書」なるものを、私たちの知らない間に作成、発行していました。
一連の経過をまとめています。
(2013年9月、「シンポジウム 保育事故を繰り返さないために」のために作成、一部抜粋)


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4月9日刑事告訴報告と、提訴・告訴に至った背景
(記事「【資料】事故以降の経過表と、八尾市への事故調査請願行動について」もあわせてぜひお読みください)
2014年4月9日、娘さつきのあずかりを依頼していた、ファミサポ援助会員の女性を
業務上過失致死罪で刑事告訴しました。
2013年11月の民事提訴(援助会員・八尾市・市社協)に引き続き、
関西圏内外のTVニュース・新聞で多数の報道いただきました。
多くの方々が本件事故に気持ちを寄せて、動向を見守っていてくださっているおかげだと感じております。
以下に報道内容の一例をご紹介します。
【刑事告訴報道/新聞紙面】※本記事アップロード時点で、オンラインで見られるものです
産経新聞Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140409-00000577-san-soci
讀賣新聞
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20140410-OYO1T50006.html
【民事提訴報道/関西テレビ"ANCHOR"特集】※同上
http://www.ktv.jp/anchor/today/2013_11_28.html
提訴や告訴などの行動に出ると、まずその理由を聞かれますが
そこに至る経緯、状況ふくめ、いろいろな思いがありすぎて、
なかなか一言で説明するのは難しく、いつも悩むところです。
直接的な理由としては、民事上、刑事上の責任を明らかにし、社会的に適切な対処・処罰を求める…ことですが
そもそも、私たちは初めからそれを望んでいたのではありません。
事故当初から、さつきをあずかっていた援助会員女性には、
事態をきちんと受け止め、状況をしっかり説明し、必要な謝罪をしていただければそれでよいと思っていましたし
そしてファミサポ事業を実施・運営していた八尾市と八尾市社会福祉協議会(ファミサポセンター)には
そういった事故対応が円滑に進むような支援と、
事故を教訓とした再発防止に取り組んでいただくことを求めていました。
何より、元気な娘が返ることはまずない…という状況だからこそ、
穏便に、できるだけ平和的に解決できることを望んでいました。
しかし、
援助会員は、説明の場であやふやな説明と沈黙を続けた後、突然現れなくなり
その後行政側も、「本来は個人間の問題」と主張、
本人が説明を拒否している以上、どうにもできない・・・といった対応を始めました。
実際には、行政側は援助会員と相談し、ファミリー・サポートの「賠償責任保険」※を利用し
援助会員に、損保会社の弁護士を代理人として用意していたのでした。
※「賠償責任保険」:八尾市のファミサポが加入していた、補償保険制度のひとつ。配布パンフレットには
”会員が、保育サービス提供中、監督ミスや提供した飲食物などが原因で、
子どもや第三者の身体または財産に損害を与えたことにより、
法律上の賠償責任が生じた場合に負担する賠償金などを補償する”との説明、
つまり、過失が認められた場合に、援助会員もしくはセンターを対象とする保険。
約款を見ると、対象者が提訴された場合の訴訟費用や弁護士費用も保険で用意される仕組み。
本件では、私たちが提訴もしていない事故直後から、保険会社の弁護士が援助会員に用意された。
援助会員が何も語らなくなった以上、「事故」の証明・認定すらできなくなった本件では
私たち当事者に保障される保険もなければ、事業や行政からのサポートも一切なく、
一方で過失の可能性がある援助会員と、センター含む行政側だけが保険により守られる、という構図になりました。
こんな理不尽なことが、公の事業で、あっていいものか。
さらに八尾市は、さつきの事故の翌年2011年4月にファミサポの会則を改め、
”活動は会員同士の準委任契約”
”活動中の事故等は、会員相互間において解決すること”
”最終的には裁判で判断されることとする”
と、それまでなかった内容を加え、「もともとそうであった(書いていなかっただけ)」としました。
八尾市では、国(厚生労働省)と自治体の名のもとに事業を実施し、援助会員を集め、研修し、認定・登録し、
さらに依頼者とのマッチングも、ファミサポのセンターが行っています。
公の事業として、安全性を謳い利用を促進しながら、
何か起こった時は「実はこの事業は個人間の責任によるもので、行政の責任はない」と主張する
このようなことが、まかり通ってよいはずがない。
私たちは、八尾市に、事業実施主体としての責任=事実と原因を明らかにし、再発防止に努める
を求めるため、さつきの付き添い看護と並行しつつ、幾度となく働きかけを続けてきました。
しかし間もなく、担当者の説明に、その場しのぎの言い逃れや、明らかな嘘が見られるようになりました。
”どんなやり方でも、この家族だけを黙らすことができればそれでいい”
行政の意図が見え、もはや家族だけではだめだ、と感じました。
幸い、地域の保育運動の方々の理解と協力が得られ、集団として申し入れや質問を行いました。
しかし、八尾市は今度は「当事者のプライバシー」を理由に、全ての要望と質問への回答を拒否しました。
家族としての働きかけは全てないがしろにされ、地域からの声すらも、不当な理由を掲げて相手にされない現状。
事故から一年が経とうとしていました。
さつきはたいへんな頑張りを見せ、在宅医療への移行のため転院、準備が進んでいました。
一方で、依然、何も明らかにされていない事故の状況。
もう、ここまでくれば、広く社会の力を借りるしかない。
専門家を交えた第三者による事故調査と再発防止を求めて、八尾市議会に請願を行うことに決めました。
MBS毎日放送、TBS系列のニュースで、丁寧で的確な報道をしていただいたこともあり
わずか一か月で、約8万筆もの署名が集まりました。
八尾市議会の議決は、「趣旨採択」。
「請願の趣旨は理解できるが、賛同まではしかねる」という結果でした。
八尾市は、ここでも第三者による調査は拒否。
しかし、8万人の声を前に、「事実関係の確認をあらためて行う」との見解を示し、
庁内で、市職員による委員会を設置しました。
これまでの市の不誠実な対応からも、果たしてどれほどのことが期待できるのか…
不安に感じながらも、当事者として必要な協力はすると伝え、
さつきの退院と在宅医療生活準備に忙しい日々を過ごしながら、待つこと3ヶ月。
ついに、新年度を迎えるまで、庁内委員会からの連絡はありませんでした。
2012年4月末、突然、八尾市の職員から電話がありました。
「事実経過の報告書が完成したので、持参したい」とのことでした。
報告書?
完成した?
私たちは、そもそも庁内委員会が報告書作成に取りかかっていたことすら、知らされていませんでした。
それ故、その作業過程で通常あるべき私たちへの聞き取りや、作成過程での内容の確認も全くなく
いつのまにか、知らない間に、私たちの事故の「報告書」が発行されていた事実に愕然としました。
4月末、「報告書」が私たちに届きました。
既に刊行物番号があり、「公文書」として存在していたその報告書は
八尾市の主観的な判断に基づいた内容の、いわば「八尾市側の言い分をまとめたもの」であり
「事実経過報告書」とはとうてい言えない、さらに再発防止の観点からは程遠い、お粗末で一方的なものでした。
八尾市は、どこまで私たちを、娘を、この事故を、市民の声を、コケにするつもりなのか。
彼らにとって大事なのは自らの保身と制度の温存であり、
さつきの命は、さつきの事故は、あいまいにうやむやにしながらそれとなく幕引きを図ればいい程度のもの、なのだ。
絶望と悔しさの中、必死の思いで、報告書の撤回を求める要望書を市長に提出し、
市議会の全会派の控室にも、直接届けに行きました。
しかし八尾市からの返答や連絡は一切ないまま、
市長が市議会で「報告書の撤回要望には応じない」と発言。
私たちは傍聴席から間接的に、要望書の内容がまったく取り合ってもらえていないことを知りました。
市長答弁、部長答弁には、それらしく聞こえる言い訳や事実のすり替え、事実誤認がはなはだしく
これ以上何を働きかけても無駄なのか・・・と脱力する一方で、
報告書や議会答弁だけが、あたかも事実のように記録されることには耐えられず
再度、答弁内容に対する抗議と報告書の撤回を再要望する文書を提出しました。
当時の私は妊娠10ヶ月、出産を目前に控えていました。
この不条理を、悔しさを、何としても書き記しておかねばならない ―必死の思いでした。
約一か月後、「撤回の要望には応じない」旨の回答文が一枚届きました。
私たちは、私たちなりに、やれることをやってきたと思います。
八尾市は、早い段階から「訴訟してもらうしかない」と私たちに言っていましたが
それは私たちの求めている解決ではありませんでした。
しかし、ここまできて、
事故から2年以上が経って、
未だに当日の状況すら明らかにされていない現実。
11月16日あの一時間に、何が起こったのか。それを知るための手段は、もはや訴訟しか残されていませんでした。
事故から3年を機に提訴すべく、さつきと一緒に準備を進めてきました。
しかし、2013年10月10日、さつきはその命を閉じました。
翌月28日、私たち二人が原告となり、民事提訴しました。
約7500万円の損害賠償。
民事裁判をする=損害賠償を求める、という形になってしまうため、その額は弁護士が計算によって算出しました。
金額なんて、私たちはどうでもいいです。
金銭を求めるために裁判するのではありません。
しかし、損害の大きさを金額で示すとするならば、私たちが失ったさつきのかけがえのない命、
さつきの成長を喜び歩むはずだった私たちの人生、そしてさつき自身の無限の未来と幸せを示すのならば、
7500万円なんかじゃ到底足りません。
それは、何億積まれても、替えられるものではありません。
裁判とは、「争い」です。
ひとたび裁判となれば、
援助会員、八尾市、市社協は、これまで以上に堂々と、言い訳や嘘を示してくるでしょう。
むしろ、被告側は、以前から訴訟での解決をほのめかしていたことからも、それを求めていたように思えます。
裁判で、事実が明らかになるとは限りません。
さらにひどい対応に、大きく傷つけられることもあるでしょう。
しかし、これだけ働きかけてきても、何も明らかにされていない現状では
もし裁判で、何かひとつでも、ひとかけらでも、新たにわかることがあるのなら
私たちはたとえ望まない裁判であっても、それに懸けたいという思いです。
これまでにも相当、相手方のひどい対応に、心臓がぎゅっと握りつぶされるような思いを何度もしてきました。
しかし、さつきの命を思うと
さつきと、私たちの抱えてきた苦しみ、悔しさを思うと
これ以上に辛いことは私たちにはないのです。
2014年3月25日、第二回の口頭弁論において
被告側三者はさつきがうつ伏せにされた事実は認めたものの
「心肺停止に陥った原因はウイルス」、つまり「過失はない、さつきが勝手にそうなった」と主張しました。
(詳細は、本ブログ記事「【裁判報告】2014.3.25第二回口頭弁論がありました」をお読みください)
起こったことを、真摯に受け止めることすらしないばかりか
「関係ない」「子どもに原因があった」と主張している
私たちには、援助会員の心境はわかりません。
泣きやまないさつきに、腹を立てたのかもしれませんが
信頼して娘をあずけた相手であるだけに、悪意はなく、不注意が引き起こした事故であったと思いたい。
しかし
事故の事実に向き合わないばかりか、自らの責任にも向き合わず、挙句、子どものせいにしようとしている
この対応には、もはや事故そのものをひっくるめて、許すことなどできず
社会的な責任を、徹底的に追及せざるを得ません。
2014年4月9日、援助会員を業務上過失致死で刑事告訴しました。
刑事事件として立件されるためには、予見可能性を示す十分な証拠が必要であり
保育事故、とくにさつきの事故のような密室での事故・事件では、かなり厳しいものがあります
しかし、例えば交通事故では、たとえそれが悪意なき過失や不注意によるものだとしても、
起こした事態の重さで、刑事罰が科されます
それが、保育事故では、あずかっていた子どもの命が亡くなったり、重篤な状態になった場合でも
「嫌疑不十分」として、起訴すらされないことが多い
この理不尽な現実を、どう受け止めればよいのでしょうか。
私たちは、民事と刑事、二つの訴えを通じ、事故そのものをひとりでも多くの方に知っていただくと共に
保育事故が直面している様々な問題=壁の存在を、伝え続けていきたいと思っています。
どうかご理解いただき、応援していただきたいと思います。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。
2014年4月9日、娘さつきのあずかりを依頼していた、ファミサポ援助会員の女性を
業務上過失致死罪で刑事告訴しました。
2013年11月の民事提訴(援助会員・八尾市・市社協)に引き続き、
関西圏内外のTVニュース・新聞で多数の報道いただきました。
多くの方々が本件事故に気持ちを寄せて、動向を見守っていてくださっているおかげだと感じております。
以下に報道内容の一例をご紹介します。
【刑事告訴報道/新聞紙面】※本記事アップロード時点で、オンラインで見られるものです
産経新聞Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140409-00000577-san-soci
讀賣新聞
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20140410-OYO1T50006.html
【民事提訴報道/関西テレビ"ANCHOR"特集】※同上
http://www.ktv.jp/anchor/today/2013_11_28.html
提訴や告訴などの行動に出ると、まずその理由を聞かれますが
そこに至る経緯、状況ふくめ、いろいろな思いがありすぎて、
なかなか一言で説明するのは難しく、いつも悩むところです。
直接的な理由としては、民事上、刑事上の責任を明らかにし、社会的に適切な対処・処罰を求める…ことですが
そもそも、私たちは初めからそれを望んでいたのではありません。
事故当初から、さつきをあずかっていた援助会員女性には、
事態をきちんと受け止め、状況をしっかり説明し、必要な謝罪をしていただければそれでよいと思っていましたし
そしてファミサポ事業を実施・運営していた八尾市と八尾市社会福祉協議会(ファミサポセンター)には
そういった事故対応が円滑に進むような支援と、
事故を教訓とした再発防止に取り組んでいただくことを求めていました。
何より、元気な娘が返ることはまずない…という状況だからこそ、
穏便に、できるだけ平和的に解決できることを望んでいました。
しかし、
援助会員は、説明の場であやふやな説明と沈黙を続けた後、突然現れなくなり
その後行政側も、「本来は個人間の問題」と主張、
本人が説明を拒否している以上、どうにもできない・・・といった対応を始めました。
実際には、行政側は援助会員と相談し、ファミリー・サポートの「賠償責任保険」※を利用し
援助会員に、損保会社の弁護士を代理人として用意していたのでした。
※「賠償責任保険」:八尾市のファミサポが加入していた、補償保険制度のひとつ。配布パンフレットには
”会員が、保育サービス提供中、監督ミスや提供した飲食物などが原因で、
子どもや第三者の身体または財産に損害を与えたことにより、
法律上の賠償責任が生じた場合に負担する賠償金などを補償する”との説明、
つまり、過失が認められた場合に、援助会員もしくはセンターを対象とする保険。
約款を見ると、対象者が提訴された場合の訴訟費用や弁護士費用も保険で用意される仕組み。
本件では、私たちが提訴もしていない事故直後から、保険会社の弁護士が援助会員に用意された。
援助会員が何も語らなくなった以上、「事故」の証明・認定すらできなくなった本件では
私たち当事者に保障される保険もなければ、事業や行政からのサポートも一切なく、
一方で過失の可能性がある援助会員と、センター含む行政側だけが保険により守られる、という構図になりました。
こんな理不尽なことが、公の事業で、あっていいものか。
さらに八尾市は、さつきの事故の翌年2011年4月にファミサポの会則を改め、
”活動は会員同士の準委任契約”
”活動中の事故等は、会員相互間において解決すること”
”最終的には裁判で判断されることとする”
と、それまでなかった内容を加え、「もともとそうであった(書いていなかっただけ)」としました。
八尾市では、国(厚生労働省)と自治体の名のもとに事業を実施し、援助会員を集め、研修し、認定・登録し、
さらに依頼者とのマッチングも、ファミサポのセンターが行っています。
公の事業として、安全性を謳い利用を促進しながら、
何か起こった時は「実はこの事業は個人間の責任によるもので、行政の責任はない」と主張する
このようなことが、まかり通ってよいはずがない。
私たちは、八尾市に、事業実施主体としての責任=事実と原因を明らかにし、再発防止に努める
を求めるため、さつきの付き添い看護と並行しつつ、幾度となく働きかけを続けてきました。
しかし間もなく、担当者の説明に、その場しのぎの言い逃れや、明らかな嘘が見られるようになりました。
”どんなやり方でも、この家族だけを黙らすことができればそれでいい”
行政の意図が見え、もはや家族だけではだめだ、と感じました。
幸い、地域の保育運動の方々の理解と協力が得られ、集団として申し入れや質問を行いました。
しかし、八尾市は今度は「当事者のプライバシー」を理由に、全ての要望と質問への回答を拒否しました。
家族としての働きかけは全てないがしろにされ、地域からの声すらも、不当な理由を掲げて相手にされない現状。
事故から一年が経とうとしていました。
さつきはたいへんな頑張りを見せ、在宅医療への移行のため転院、準備が進んでいました。
一方で、依然、何も明らかにされていない事故の状況。
もう、ここまでくれば、広く社会の力を借りるしかない。
専門家を交えた第三者による事故調査と再発防止を求めて、八尾市議会に請願を行うことに決めました。
MBS毎日放送、TBS系列のニュースで、丁寧で的確な報道をしていただいたこともあり
わずか一か月で、約8万筆もの署名が集まりました。
八尾市議会の議決は、「趣旨採択」。
「請願の趣旨は理解できるが、賛同まではしかねる」という結果でした。
八尾市は、ここでも第三者による調査は拒否。
しかし、8万人の声を前に、「事実関係の確認をあらためて行う」との見解を示し、
庁内で、市職員による委員会を設置しました。
これまでの市の不誠実な対応からも、果たしてどれほどのことが期待できるのか…
不安に感じながらも、当事者として必要な協力はすると伝え、
さつきの退院と在宅医療生活準備に忙しい日々を過ごしながら、待つこと3ヶ月。
ついに、新年度を迎えるまで、庁内委員会からの連絡はありませんでした。
2012年4月末、突然、八尾市の職員から電話がありました。
「事実経過の報告書が完成したので、持参したい」とのことでした。
報告書?
完成した?
私たちは、そもそも庁内委員会が報告書作成に取りかかっていたことすら、知らされていませんでした。
それ故、その作業過程で通常あるべき私たちへの聞き取りや、作成過程での内容の確認も全くなく
いつのまにか、知らない間に、私たちの事故の「報告書」が発行されていた事実に愕然としました。
4月末、「報告書」が私たちに届きました。
既に刊行物番号があり、「公文書」として存在していたその報告書は
八尾市の主観的な判断に基づいた内容の、いわば「八尾市側の言い分をまとめたもの」であり
「事実経過報告書」とはとうてい言えない、さらに再発防止の観点からは程遠い、お粗末で一方的なものでした。
八尾市は、どこまで私たちを、娘を、この事故を、市民の声を、コケにするつもりなのか。
彼らにとって大事なのは自らの保身と制度の温存であり、
さつきの命は、さつきの事故は、あいまいにうやむやにしながらそれとなく幕引きを図ればいい程度のもの、なのだ。
絶望と悔しさの中、必死の思いで、報告書の撤回を求める要望書を市長に提出し、
市議会の全会派の控室にも、直接届けに行きました。
しかし八尾市からの返答や連絡は一切ないまま、
市長が市議会で「報告書の撤回要望には応じない」と発言。
私たちは傍聴席から間接的に、要望書の内容がまったく取り合ってもらえていないことを知りました。
市長答弁、部長答弁には、それらしく聞こえる言い訳や事実のすり替え、事実誤認がはなはだしく
これ以上何を働きかけても無駄なのか・・・と脱力する一方で、
報告書や議会答弁だけが、あたかも事実のように記録されることには耐えられず
再度、答弁内容に対する抗議と報告書の撤回を再要望する文書を提出しました。
当時の私は妊娠10ヶ月、出産を目前に控えていました。
この不条理を、悔しさを、何としても書き記しておかねばならない ―必死の思いでした。
約一か月後、「撤回の要望には応じない」旨の回答文が一枚届きました。
私たちは、私たちなりに、やれることをやってきたと思います。
八尾市は、早い段階から「訴訟してもらうしかない」と私たちに言っていましたが
それは私たちの求めている解決ではありませんでした。
しかし、ここまできて、
事故から2年以上が経って、
未だに当日の状況すら明らかにされていない現実。
11月16日あの一時間に、何が起こったのか。それを知るための手段は、もはや訴訟しか残されていませんでした。
事故から3年を機に提訴すべく、さつきと一緒に準備を進めてきました。
しかし、2013年10月10日、さつきはその命を閉じました。
翌月28日、私たち二人が原告となり、民事提訴しました。
約7500万円の損害賠償。
民事裁判をする=損害賠償を求める、という形になってしまうため、その額は弁護士が計算によって算出しました。
金額なんて、私たちはどうでもいいです。
金銭を求めるために裁判するのではありません。
しかし、損害の大きさを金額で示すとするならば、私たちが失ったさつきのかけがえのない命、
さつきの成長を喜び歩むはずだった私たちの人生、そしてさつき自身の無限の未来と幸せを示すのならば、
7500万円なんかじゃ到底足りません。
それは、何億積まれても、替えられるものではありません。
裁判とは、「争い」です。
ひとたび裁判となれば、
援助会員、八尾市、市社協は、これまで以上に堂々と、言い訳や嘘を示してくるでしょう。
むしろ、被告側は、以前から訴訟での解決をほのめかしていたことからも、それを求めていたように思えます。
裁判で、事実が明らかになるとは限りません。
さらにひどい対応に、大きく傷つけられることもあるでしょう。
しかし、これだけ働きかけてきても、何も明らかにされていない現状では
もし裁判で、何かひとつでも、ひとかけらでも、新たにわかることがあるのなら
私たちはたとえ望まない裁判であっても、それに懸けたいという思いです。
これまでにも相当、相手方のひどい対応に、心臓がぎゅっと握りつぶされるような思いを何度もしてきました。
しかし、さつきの命を思うと
さつきと、私たちの抱えてきた苦しみ、悔しさを思うと
これ以上に辛いことは私たちにはないのです。
2014年3月25日、第二回の口頭弁論において
被告側三者はさつきがうつ伏せにされた事実は認めたものの
「心肺停止に陥った原因はウイルス」、つまり「過失はない、さつきが勝手にそうなった」と主張しました。
(詳細は、本ブログ記事「【裁判報告】2014.3.25第二回口頭弁論がありました」をお読みください)
起こったことを、真摯に受け止めることすらしないばかりか
「関係ない」「子どもに原因があった」と主張している
私たちには、援助会員の心境はわかりません。
泣きやまないさつきに、腹を立てたのかもしれませんが
信頼して娘をあずけた相手であるだけに、悪意はなく、不注意が引き起こした事故であったと思いたい。
しかし
事故の事実に向き合わないばかりか、自らの責任にも向き合わず、挙句、子どものせいにしようとしている
この対応には、もはや事故そのものをひっくるめて、許すことなどできず
社会的な責任を、徹底的に追及せざるを得ません。
2014年4月9日、援助会員を業務上過失致死で刑事告訴しました。
刑事事件として立件されるためには、予見可能性を示す十分な証拠が必要であり
保育事故、とくにさつきの事故のような密室での事故・事件では、かなり厳しいものがあります
しかし、例えば交通事故では、たとえそれが悪意なき過失や不注意によるものだとしても、
起こした事態の重さで、刑事罰が科されます
それが、保育事故では、あずかっていた子どもの命が亡くなったり、重篤な状態になった場合でも
「嫌疑不十分」として、起訴すらされないことが多い
この理不尽な現実を、どう受け止めればよいのでしょうか。
私たちは、民事と刑事、二つの訴えを通じ、事故そのものをひとりでも多くの方に知っていただくと共に
保育事故が直面している様々な問題=壁の存在を、伝え続けていきたいと思っています。
どうかご理解いただき、応援していただきたいと思います。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。
【発表・報告資料】「准保育士」(民間認証)資格創設案についての意見
4月8日、「保育園を考える親の会」が 産業競争力会議雇用・人材分科会に対して、
「准保育士」の導入(案)に反対する旨の要望書を提出し、その後記者会見を行いました。
(上記案については http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0319/shiryo_04.pdf P2参照)
私も、会員のひとりとして、また保育事故の当事者として、下記のような意見を提出(要望書に別添)しました。
※やみくもに、「無資格はあぶない」「資格が全て」などと言っているものではありません。
「准保育士ってなに」
「なぜいけないの」
疑問をお持ちの方も、上記リンクと併せて、ぜひお読みください。
「准保育士」民間認証資格の導入についての意見
2014年4月8日
保育園を考える親の会
会員 藤井 真希
産業競争力会議雇用・人材分科会で提言されております「准保育士」資格(民間認証)の創設について、
保育中の事故で娘を亡くした立場から、また保育所にお世話になり子育てをする保護者としての立場から、
考えを述べさせていただきたいと思います。
私は2010年11月、大阪府八尾市の「ファミリー・サポート・センター」事業で紹介された一般女性に、
当時5ヶ月だった娘の一時あずかりを私の通院のため1時間だけ依頼しました。
通院を終えて迎えに戻った時、別れた時は元気そのものだった娘は変わり果てた姿になっており、
既に心肺停止の状態でした。
泣き出した娘はその女性によってうつぶせ寝にされ、十分な安全配慮や観察がされないまま放置されていたのでした。
救急搬送された病院で奇跡的に心臓は蘇生されましたが、脳のダメージは大きく「脳死」と言われる状態になり、
その後も意識や自発呼吸は戻らないまま昨年秋に3歳で亡くなりました。
事故当時の詳しい状況については未だ充分な説明がされていませんが、当初の聞き取りにおいて、
その女性は自らの育児経験を過信し「うつぶせ寝は良いと思っていた」ことがわかりました。
私自身、「ファミリー・サポート・センター」への登録を検討した際には、漠然と
“育児経験のある先輩お母さんなら、きっと子どもを安全にあずかってくれるだろう”と
信じてしまっていたように思います。ところが、私はかけがえのない娘の命を失うことになりました。
今になって、「育児経験を有していること」と、「一時あずかりや保育に従事する能力」とは全く別なものである
ということを、痛切に感じております。
産業競争力会議雇用・人材検討分科会から提出されている資料や、報道を拝見しました。
「育児経験の豊かな主婦」は、その言葉が示す通り、自分の子どもを育てることにおいて経験を持っているにすぎず、
それは他の人の子どもの命を複数、同年齢・異年齢の集団において、長時間かつ長期的に守り育む「保育」の現場で
必要とされる知識や能力とは、全く性質が異なるものではないでしょうか。
ファミリー・サポートのような「一時あずかり」は継続的な「保育」とは少し性質が異なりますが、それでも
「子どもの命をあずかる」という点では同じであり、同時に「育児」とは大きく異なるものです。
子どもはひとりひとり個性があり、自分の育児の経験がそのままあてはめられるとは限りません。
私は今でもファミリー・サポートの概念自体は良いものと思っておりますが、やはり安全性担保のために、
特に乳幼児の必須研修の確立など整備されるべき事柄や制度そのものの課題は多いと感じており、
そのために行動しているところです。
一時的なあずかりだけではなく、長時間継続的に子どもの命をあずかる保育現場では、
さらに専門的な知識や技能が必要であり、それが国家資格として「保育士」が存在する意義なのではないでしょうか。
厚生労働省から毎年報告される保育施設における事故の大部分は、認可外保育施設などで起こっており、
そういった現場では無資格者や民間認定の資格保持者が経験も不十分なままに保育に当たっていた、
という実態があります。保育に従事する者として、その知識と意識の低さに当事者が言葉を失うような事例が
後を絶ちません。
誤解のないように申し添えますが、無資格であることが全て問題なわけではありません。
同時に、資格を有することが万能であるわけでもありません。
しかし、「事故は認可施設・認可外施設にかかわらずどこでも起こりうる」という“危機管理上の認識”と、
実際に有資格者のいない・非常に少ない施設での事故発生率が近年圧倒的に高い、という“事実”は、
分けて議論されるべきであり、重大事故防止の観点からも早急に検証されるべきと考えます。
事故の実態からも、子どもの命を守るという保育の基本において、やはり資格は重視されるべきということが
示唆されています。 (※2013年、認可外保育施設での死亡事故発生率は認可施設の約45倍)
報道では、“保育士より資格取得が容易”という表現がされておりました。はたして「准保育士」が創設されたとして、
その雇用形態や現場での活用を考えますと、やはり疑問を感じざるを得ません。
仮に、現場に「准保育士」主婦をパートタイム雇用するとして、どういった業務内容になるのか。
園における重要で責任ある業務が、かえって「保育士」に集中してしまうといった状況を生み出すことにはならないのか。
「准保育士」育成やフォローのため、「保育士」の業務量がさらに増すのではないか。
「准保育士」の待遇や処遇はどうなるのか。何より、複数の職員が入れ替わりたちかわり保育にあたることで、
引継ぎの不行き届きなどで子どもが混乱したり不利益を被ったりするようなことはないのか。
多くの方々が疑問の声をあげておられますが、私もまったく同じ思いです。
産業競争力会議雇用・人材検討分科会から提出の資料にも表記されているように、待機児童問題の大きな要因は
「保育士不足」ですが、不足しているのは「保育士」の資格取得者数ではなく、現場で働いている保育士の不足です。
そう認識されているのであれば、解決策として本来向かうべき方向は、いかに現場で活躍できる保育士を増やし
確保するか、であるはずで、容易に取得できる民間認証の資格創設に結びつけることには違和感を感じてしまいます。
そもそも、「主婦層の労働機会の拡大」を求める場として、子どもの命を直接あずかり、
また子どもたちの豊かな成長を保障する保育の現場はふさわしくないのでは、とも感じております。
子どもたちの利益の視点からも、ぜひ再検討をお願いしたいと考えております。
取得要件を下げて取りやすく設定した民間の資格で、どのように保育の質や専門性を保障するのでしょうか。
保育の場では、犠牲になるのはいつも子どもです。何かがあってからでは遅いですし、現に事故は起こり続けています。
親として、子どもたちが命を守る豊かな保育を受けられるように、また事故当事者として
これ以上悲しい事故が起こらないように願っております。
(以上)
「准保育士」の導入(案)に反対する旨の要望書を提出し、その後記者会見を行いました。
(上記案については http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0319/shiryo_04.pdf P2参照)
私も、会員のひとりとして、また保育事故の当事者として、下記のような意見を提出(要望書に別添)しました。
※やみくもに、「無資格はあぶない」「資格が全て」などと言っているものではありません。
「准保育士ってなに」
「なぜいけないの」
疑問をお持ちの方も、上記リンクと併せて、ぜひお読みください。
「准保育士」民間認証資格の導入についての意見
2014年4月8日
保育園を考える親の会
会員 藤井 真希
産業競争力会議雇用・人材分科会で提言されております「准保育士」資格(民間認証)の創設について、
保育中の事故で娘を亡くした立場から、また保育所にお世話になり子育てをする保護者としての立場から、
考えを述べさせていただきたいと思います。
私は2010年11月、大阪府八尾市の「ファミリー・サポート・センター」事業で紹介された一般女性に、
当時5ヶ月だった娘の一時あずかりを私の通院のため1時間だけ依頼しました。
通院を終えて迎えに戻った時、別れた時は元気そのものだった娘は変わり果てた姿になっており、
既に心肺停止の状態でした。
泣き出した娘はその女性によってうつぶせ寝にされ、十分な安全配慮や観察がされないまま放置されていたのでした。
救急搬送された病院で奇跡的に心臓は蘇生されましたが、脳のダメージは大きく「脳死」と言われる状態になり、
その後も意識や自発呼吸は戻らないまま昨年秋に3歳で亡くなりました。
事故当時の詳しい状況については未だ充分な説明がされていませんが、当初の聞き取りにおいて、
その女性は自らの育児経験を過信し「うつぶせ寝は良いと思っていた」ことがわかりました。
私自身、「ファミリー・サポート・センター」への登録を検討した際には、漠然と
“育児経験のある先輩お母さんなら、きっと子どもを安全にあずかってくれるだろう”と
信じてしまっていたように思います。ところが、私はかけがえのない娘の命を失うことになりました。
今になって、「育児経験を有していること」と、「一時あずかりや保育に従事する能力」とは全く別なものである
ということを、痛切に感じております。
産業競争力会議雇用・人材検討分科会から提出されている資料や、報道を拝見しました。
「育児経験の豊かな主婦」は、その言葉が示す通り、自分の子どもを育てることにおいて経験を持っているにすぎず、
それは他の人の子どもの命を複数、同年齢・異年齢の集団において、長時間かつ長期的に守り育む「保育」の現場で
必要とされる知識や能力とは、全く性質が異なるものではないでしょうか。
ファミリー・サポートのような「一時あずかり」は継続的な「保育」とは少し性質が異なりますが、それでも
「子どもの命をあずかる」という点では同じであり、同時に「育児」とは大きく異なるものです。
子どもはひとりひとり個性があり、自分の育児の経験がそのままあてはめられるとは限りません。
私は今でもファミリー・サポートの概念自体は良いものと思っておりますが、やはり安全性担保のために、
特に乳幼児の必須研修の確立など整備されるべき事柄や制度そのものの課題は多いと感じており、
そのために行動しているところです。
一時的なあずかりだけではなく、長時間継続的に子どもの命をあずかる保育現場では、
さらに専門的な知識や技能が必要であり、それが国家資格として「保育士」が存在する意義なのではないでしょうか。
厚生労働省から毎年報告される保育施設における事故の大部分は、認可外保育施設などで起こっており、
そういった現場では無資格者や民間認定の資格保持者が経験も不十分なままに保育に当たっていた、
という実態があります。保育に従事する者として、その知識と意識の低さに当事者が言葉を失うような事例が
後を絶ちません。
誤解のないように申し添えますが、無資格であることが全て問題なわけではありません。
同時に、資格を有することが万能であるわけでもありません。
しかし、「事故は認可施設・認可外施設にかかわらずどこでも起こりうる」という“危機管理上の認識”と、
実際に有資格者のいない・非常に少ない施設での事故発生率が近年圧倒的に高い、という“事実”は、
分けて議論されるべきであり、重大事故防止の観点からも早急に検証されるべきと考えます。
事故の実態からも、子どもの命を守るという保育の基本において、やはり資格は重視されるべきということが
示唆されています。 (※2013年、認可外保育施設での死亡事故発生率は認可施設の約45倍)
報道では、“保育士より資格取得が容易”という表現がされておりました。はたして「准保育士」が創設されたとして、
その雇用形態や現場での活用を考えますと、やはり疑問を感じざるを得ません。
仮に、現場に「准保育士」主婦をパートタイム雇用するとして、どういった業務内容になるのか。
園における重要で責任ある業務が、かえって「保育士」に集中してしまうといった状況を生み出すことにはならないのか。
「准保育士」育成やフォローのため、「保育士」の業務量がさらに増すのではないか。
「准保育士」の待遇や処遇はどうなるのか。何より、複数の職員が入れ替わりたちかわり保育にあたることで、
引継ぎの不行き届きなどで子どもが混乱したり不利益を被ったりするようなことはないのか。
多くの方々が疑問の声をあげておられますが、私もまったく同じ思いです。
産業競争力会議雇用・人材検討分科会から提出の資料にも表記されているように、待機児童問題の大きな要因は
「保育士不足」ですが、不足しているのは「保育士」の資格取得者数ではなく、現場で働いている保育士の不足です。
そう認識されているのであれば、解決策として本来向かうべき方向は、いかに現場で活躍できる保育士を増やし
確保するか、であるはずで、容易に取得できる民間認証の資格創設に結びつけることには違和感を感じてしまいます。
そもそも、「主婦層の労働機会の拡大」を求める場として、子どもの命を直接あずかり、
また子どもたちの豊かな成長を保障する保育の現場はふさわしくないのでは、とも感じております。
子どもたちの利益の視点からも、ぜひ再検討をお願いしたいと考えております。
取得要件を下げて取りやすく設定した民間の資格で、どのように保育の質や専門性を保障するのでしょうか。
保育の場では、犠牲になるのはいつも子どもです。何かがあってからでは遅いですし、現に事故は起こり続けています。
親として、子どもたちが命を守る豊かな保育を受けられるように、また事故当事者として
これ以上悲しい事故が起こらないように願っております。
(以上)
【裁判報告】2014.3.25第二回口頭弁論がありました
2014.3.25(火)10:00 大阪地方裁判所412号法廷
娘のファミサポ事故裁判、第二回口頭弁論がありました。
今回の法廷は、前回よりやや小規模で
中央に大きなテーブルがあり、原告側・被告側・裁判官がぐるっと囲むように着席し
(今回は八尾市の職員が指定代理人として数名参加し、代理人弁護士の後方に着席していました)
柵の向こうの傍聴席は、4人掛けの長椅子が6つ設置されていて
朝早くから傍聴に駆けつけてくださった大人・子ども合せて約30名で、席がほぼうまった状態でした。
第一回口頭弁論期日では被告側は全員欠席だったため、私たちは被告側の人たちに初めて会ったわけですが
一体誰が誰なのかもわからないまま、裁判は始まりました。
民事裁判では、主張などを「準備書面」としてあらかじめ期日の少し前に提出し
当日法廷で、「書面のとおり主張します」の確認がされる…という、いわば”筆談”スタイルで進行するので
期日では必要事項の読み上げや書面の確認、次回期日設定の協議などが事務的に淡々と行われます。
原告側・被告側双方の主張がある程度重ねられ、審理が進んでいくと、「証人尋問」の段階になり
そこでは「”裁判”らしいやりとり」というか、弁護士があれこれ質問して証人調べが行われる…のですが
現段階での裁判は、え、もうおしまい? というくらい短時間で終わってしまうことが多いです。
特に今回は被告側の準備書面提出と、今後の流れの協議のみだったので、約10分程度で終了しました。
(このため、毎回の期日後に報告会で、弁護士から丁寧な解説をさせていただいています)
たった10分程度の裁判でも、法廷は緊張感で張りつめ、
報告会が終わった後の私たちはどっと疲れが出てしまいます。
年度末のたいへん忙しい時期であったにもかかわらず、今回も多くの方にご参集いただき
感謝の思いでいっぱいです。
裁判官にも、多くの方が本件の動向を見守り、心を寄せていただいていることが伝わったようで
次回の裁判も同じ法廷で、公開で行われることになりました。
第三回口頭弁論期日は5月13日(火)15時30分~、大阪地方裁判所412号法廷です。
終了後の報告会も行う予定です。
被告側は今回の書面で、私たちの訴えに対し、それぞれ、争う
=「自分たちの責任は認めない」「関係がない」旨の主張をしてきました
さつきが心肺停止に至った原因については、「RSウイルスによるもの」との主張がされ
「うつぶせ寝は関係ないので、責任は認めない」とのこと。
予想していなかったわけではありませんが、あらためて怒りがこみ上げてきました。
RSウイルスというのは、風邪のウイルスの一種で、誰でも生後~2歳ごろまでには100%かかるといわれている
そのあたりに普通に存在する、ごくありふれた、私たちが何度もかかる風邪の原因となるものです。
さつきの事故当時、救急搬送記録では「窒息の疑い」と書かれているにもかかわらず
搬送先の八尾市立病院で「RSウイルスが検出されたので、これを突然心肺停止の原因とします」と説明され、
その後、うつぶせにしたさつきの傍を離れるなど、被告援助会員の行動に不審な点が明らかになる過程で
私たちが何度も医師に疑問を訴えても、
「病院の見解はRS」と、頑なに貫こうとしていた様子でした。
しかし、医学的な根拠に欠けていることは明らかであり、
その後の入院期間において、八尾市立病院の説明にはブレが生じていました
(そもそも無理があるので当然と思います)
何より、さつきがうつぶせ寝で放置されていた事実を一切無視して、そのような結論にもっていこうとする
その理不尽な強引さには、許しがたい悔しい思いでおりました。
そのような説をもって、「自分たちに非は認められない」、
つまり「さつきが勝手にじぶんで呼吸停止になり、死亡したのだ」と主張している、ということです。
これが、保育事故の現実であり、
私たちが事故からこの3年以上ずっとずっと闘い続けてきている、
私たちを八方塞がりにしようとする途方もなく高い”壁”の、一部の姿です。
しかし、真実はひとつです。
あんなに元気だった、私たちの可愛いさつきが
心肺停止の状態から数十分以上経っていた絶望的な状況でも奇跡的に蘇生し、
それから3年間も頑張りつづけた、ほんとうにつよい子のさつきが
誰の責任もなく呼吸を、心臓を止めてしまうなんて、そんなこと絶対にあるはずがないのです。
今後の裁判において、徹底的に反論していく構えです。
何よりも、さつきのために
私たち自身のために
そして、このような悲しい事故で犠牲になるちいさな命がこれ以上増え続けないために
私たちにできることを、全力で取り組んでいこうと思います。
どうか、応援よろしくお願い致します。
娘のファミサポ事故裁判、第二回口頭弁論がありました。
今回の法廷は、前回よりやや小規模で
中央に大きなテーブルがあり、原告側・被告側・裁判官がぐるっと囲むように着席し
(今回は八尾市の職員が指定代理人として数名参加し、代理人弁護士の後方に着席していました)
柵の向こうの傍聴席は、4人掛けの長椅子が6つ設置されていて
朝早くから傍聴に駆けつけてくださった大人・子ども合せて約30名で、席がほぼうまった状態でした。
第一回口頭弁論期日では被告側は全員欠席だったため、私たちは被告側の人たちに初めて会ったわけですが
一体誰が誰なのかもわからないまま、裁判は始まりました。
民事裁判では、主張などを「準備書面」としてあらかじめ期日の少し前に提出し
当日法廷で、「書面のとおり主張します」の確認がされる…という、いわば”筆談”スタイルで進行するので
期日では必要事項の読み上げや書面の確認、次回期日設定の協議などが事務的に淡々と行われます。
原告側・被告側双方の主張がある程度重ねられ、審理が進んでいくと、「証人尋問」の段階になり
そこでは「”裁判”らしいやりとり」というか、弁護士があれこれ質問して証人調べが行われる…のですが
現段階での裁判は、え、もうおしまい? というくらい短時間で終わってしまうことが多いです。
特に今回は被告側の準備書面提出と、今後の流れの協議のみだったので、約10分程度で終了しました。
(このため、毎回の期日後に報告会で、弁護士から丁寧な解説をさせていただいています)
たった10分程度の裁判でも、法廷は緊張感で張りつめ、
報告会が終わった後の私たちはどっと疲れが出てしまいます。
年度末のたいへん忙しい時期であったにもかかわらず、今回も多くの方にご参集いただき
感謝の思いでいっぱいです。
裁判官にも、多くの方が本件の動向を見守り、心を寄せていただいていることが伝わったようで
次回の裁判も同じ法廷で、公開で行われることになりました。
第三回口頭弁論期日は5月13日(火)15時30分~、大阪地方裁判所412号法廷です。
終了後の報告会も行う予定です。
被告側は今回の書面で、私たちの訴えに対し、それぞれ、争う
=「自分たちの責任は認めない」「関係がない」旨の主張をしてきました
さつきが心肺停止に至った原因については、「RSウイルスによるもの」との主張がされ
「うつぶせ寝は関係ないので、責任は認めない」とのこと。
予想していなかったわけではありませんが、あらためて怒りがこみ上げてきました。
RSウイルスというのは、風邪のウイルスの一種で、誰でも生後~2歳ごろまでには100%かかるといわれている
そのあたりに普通に存在する、ごくありふれた、私たちが何度もかかる風邪の原因となるものです。
さつきの事故当時、救急搬送記録では「窒息の疑い」と書かれているにもかかわらず
搬送先の八尾市立病院で「RSウイルスが検出されたので、これを突然心肺停止の原因とします」と説明され、
その後、うつぶせにしたさつきの傍を離れるなど、被告援助会員の行動に不審な点が明らかになる過程で
私たちが何度も医師に疑問を訴えても、
「病院の見解はRS」と、頑なに貫こうとしていた様子でした。
しかし、医学的な根拠に欠けていることは明らかであり、
その後の入院期間において、八尾市立病院の説明にはブレが生じていました
(そもそも無理があるので当然と思います)
何より、さつきがうつぶせ寝で放置されていた事実を一切無視して、そのような結論にもっていこうとする
その理不尽な強引さには、許しがたい悔しい思いでおりました。
そのような説をもって、「自分たちに非は認められない」、
つまり「さつきが勝手にじぶんで呼吸停止になり、死亡したのだ」と主張している、ということです。
これが、保育事故の現実であり、
私たちが事故からこの3年以上ずっとずっと闘い続けてきている、
私たちを八方塞がりにしようとする途方もなく高い”壁”の、一部の姿です。
しかし、真実はひとつです。
あんなに元気だった、私たちの可愛いさつきが
心肺停止の状態から数十分以上経っていた絶望的な状況でも奇跡的に蘇生し、
それから3年間も頑張りつづけた、ほんとうにつよい子のさつきが
誰の責任もなく呼吸を、心臓を止めてしまうなんて、そんなこと絶対にあるはずがないのです。
今後の裁判において、徹底的に反論していく構えです。
何よりも、さつきのために
私たち自身のために
そして、このような悲しい事故で犠牲になるちいさな命がこれ以上増え続けないために
私たちにできることを、全力で取り組んでいこうと思います。
どうか、応援よろしくお願い致します。
ようこそ
Author:satsuki-moonlight
2010年11月、ファミサポを利用した1時間のあずかり中に、娘のさつきはうつぶせ寝の心肺停止状態で発見され、その後脳死状態となり、2013年10月に亡くなりました。事故と、事故以降の記録です。
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