【裁判報告】2015.1.27第七回口頭弁論がありました~提訴から1年を経ての思い~
1月27日(火)、娘のファミサポ事故・民事裁判の第七回期日がありました。
早くも、遅くも、七回目です。
2013年11月に提訴し、2014年1月の初回期日から一年が経過しました。
およそ二か月に一度のペースで、奇数月に期日が入ってきています。
娘の事故が起こり、ISA(赤ちゃんの急死を考える会)の方々と相談していた当初は
だいたいの保育事故裁判がこのような具合に進行することや、一審だけでも数年はかかる、ということを聞き
「裁判ってそんなにゆっくりと、長いものなんだ・・・」と、気が遠くなるような思いがしたものですが
いざ、始まってみると、毎回の期日のために行う準備が本当に大変だ、ということを
裁判になる前から想像はしていましたが、それが現実となって、痛感する日々です。
とくに、こちらから具体的な主張や被告への反論をおこなう書面を準備する回は
被告の主張・証拠書類(論文等)の読み込み
論点の整理
調査
主張の組み立て・展開
証拠の準備
書面作成
…などを、弁護士の先生方や協力くださる方々と共に行います。
(代理人の弁護士にどのくらいお任せするのかは人それぞれだと思いますが、
私たちはチームとして共に、密な打合せや連絡を重ねながら、裁判に取り組んでいます)
子どもを寝かしつけた後に作業を始め、連日夜中に及ぶこともままあり、
普段の生活や仕事、子育てと並行して行うことを考えると、「だいたい二か月に一回」という裁判進行の形が
なるほど確かに・・・とも思えています。
しかし、裁判自体については、やはり「裁判は事実解明の場にはならない」という思いを改めて感じています。
期日は七回が終了し、始まって1年が経ちましたが
今も、双方の主張を積み重ねる段階にあります (詳細は過去の記事をご覧ください)。
それ自体は、必要なプロセスではある…のですが
被告からの書面には、毎回、とんでもない主張や事実の捻じ曲げがあり、
私たちの知る事実からはほどとおい事柄が羅列されています。
「裁判」=「争い」であるため、被告側は、あらゆる方法で、責任を逃れるべく主張を行います。
そしてこちらは、それが出鱈目であろうがこじつけだろうが何であろうが、
ひとつひとつに対処して、議論していかねばなりません(「準備書面」という文章で、です)。
一体何のやりとりなんだ…と言いたくなるような部分が多いことは、実感として否めません。
そういうもの、といえばそういうものなのでしょう。
だからこそ、やはり裁判は私たちの願う「事実解明や解決の場」ではない、と感じています。
事実に反した主張に対する不毛なやりとりには、毎回つくづく労力と精神力を消耗してしまいます。
しかし、「他に方法がない」のが、悲しいことに現状なのです。
事故から3年、事実の説明と穏やかな解決を求めて、地域~全国の方々の支援を受けながら
当事者や行政に再三働きかけてきましたが、
「当事者間の問題なので事故調査はしない」とする”制度のカベ”(ファミサポ事業の不備、と捉えています)を
越えることはできませんでした。
「本人(援助会員)が、話したくないと言っています」
「援助会員は、保険の弁護士を代理人に立てました」
「実は、(会則には書いてなかったけど)ファミサポは個人間の契約なんですよ」
「行政には何もできないんです」
提訴までは、事故から3年が経っても、当日の状況すら、詳しく知ることはできませんでしたが
裁判を始めることで初めてわかったこともあります。
例えば、援助会員が119番通報したという「通報記録」は、それまで頑なに開示されませんでしたが
裁判になってやっと、聞くことができました。
「裁判を起こした意味があった」と一瞬思いましたが、
「いやいや、こんなことのために裁判まで起こさないといけないのか!」と、一段と悔しい思いもしました。
事故以降、のらくらと逃げるように言葉を濁し、
時には私たちを丸め込もうと虚偽の説明や議会答弁を行ってきた、八尾市や社会福祉協議会が、
娘の事故についてどのような見解を持っているのか? を裁判の場で示させることも、僅かながらできました。
(「責任はない」「関係ない」というものではありますが)
いろんなことを考えに考えた上で、辛さは承知で裁判を起こすことを決めた一年前。
そのせいか、改めて実感として思うことはあっても
「こんなはずじゃなかった」ということは特になく、また、後悔もありません。
この一年、あれこれ抱えつつも、それなりに、ひとつひとつを、その時できうる全力を尽くして
やってきたと思っています。
本当は、こんなことをしなくても、事故が解決される仕組みがきちんとあれば、それで良いはずなのですが。
そのための働きかけも、並行して続けていこうと思います。
こうして、裁判をおこし、その理不尽さを伝えていくことも、その一つだと考えています。
今回は、前回期日で被告三者が連名で提出した「RS原因論」(RSウイルスが突然の心肺停止を起こした、との主張)
に対する反論と、
これまでに被告援助会員から書面にて説明された「当日の経過」を受けて、援助会員の過失に関する
主張の補充(説明を受けてより詳しく過失を主張)を行いました。
毎回、平日にもかかわらずたくさんの方が傍聴に来てくださいます。
期日前のメッセージ、電話、Twitterでの拡散、応援、終了後の「おつかれさま」の優しい一言、
ほんとうに心強いです。
いつもありがとうございます。
次回(3月19日(木)16時30分 大阪地方裁判所412号法廷)では、被告側からの反論と
私たち原告側から、うつ伏せでの窒息に関する主張の補充が行われる予定です。
裁判はこのようにしてまだまだ続きますが、今後は医師の意見書、関係者の尋問など
新たな局面へと移行していくことになると思われます。
世界の至るところでいろんな事が起こっている中で、
私たちの抱えていること・やっていることは小さいことなのかもしれませんが
私たちにとってはもはや人生そのものであり
また、このような理不尽なことで命を奪われてしまう子どもや、
事故やその後の対応で苦しむ家族が出ないようにするために、私たちにできるせめてもの行動だと思っています。
引き続き、応援よろしくお願い致します。
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ようこそ
Author:satsuki-moonlight
2010年11月、ファミサポを利用した1時間のあずかり中に、娘のさつきはうつぶせ寝の心肺停止状態で発見され、その後脳死状態となり、2013年10月に亡くなりました。事故と、事故以降の記録です。
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